研究者のホームページを読む

卒業研究のヒントとなるウェブサイトの一覧です。先行研究(情報)の収集もご活用下さい。研究概要、論文(ダウンロード可能なものも)、助言、tips等が書かれています。編集方針として、研究リソースとして活用できるページを記載しています個別の研究者情報は、リサーチマップや、所属大学の公開情報を検索して下さい

ここではページ名称を挙げていますが、不明・不定の場合は研究室・所属機関を記しています。直接のハイパーリンクをはじめ、問題があれば、ご一報下さい。訂正します。


以下の目次は、暫定的なものです。

英語語法文法研究、辞書学

山岸勝榮英語辞書・教育研究室
研究関係のページが充実している。細部まで読み進めてみることを推奨。法政大学時代から明海大学の開学に至るまでのエピソードや、ゼミの紹介、博論執筆の軌跡など。明海大学の黄金時代(古き良き時代?)を感じ取ることができる。


英語史関係

A Gateway to Studying HEL (History of the English Language)
国内外の文献・研究者情報が網羅されている。まずはこのページをあたるとよい。

hellog〜英語史ブログは、書籍化もされ、英語史の魅力を発信する活動に従事されている。書誌リストも。わからない言語学の術語があれば検索して、データベースとしてwikiのように活用するのがお勧め(ただし、レポート等では引用しないように。記事内の出典情報から、原典をたどりましょう)。

菊地翔太 (Shota Kikuchi) のHP説明書
研究方法・コーパスについて詳しい。特に「ゼミナール」のコーナーがお勧め。心構えや卒論執筆のプロセス、文献、文献の探し方について、動画による解説も。

家入葉子研究室「卒業論文・修士論文」
主要文献、書式、テーマ決めに関する留意点、基本文献など。困ったことは、名桜大学図書館にはMustanoja (2016) を除いて英語史関係の本は入門的なものが中心という現実。少しずつ、蔵書の追加を依頼しているところです。


意味論・語用論

町田章研究室 - 広島大学
充実の認知言語学基本参考文献リストにある文献を、図書館で探してみましょう。

CogLx Info Page+
認知言語学の文献リストは、解説が秀逸(10年ほど前だったか、当時は古典的なリストとして重用されていた。最近はあまり更新されていない模様)。Tidbitsタグの文献紹介を読もう。


神戸市外国語大学 外国語学部 英米学科 本多啓研究室
生態心理学、アフォーダンス理論。書籍の補足情報など。論文、研究活動に関する補足(と書くのが適切か、覚書と書くのが適切か)、レポートに関して等。特に学問背景を知る上で、論文とあわせて読むことを推奨。認知科学における言語学をやるなら、こんな感じで緻密に研究できるとよい。

Takuya INOUE, Ph.D.
アイヌ語への生態心理学的アプローチ(意味論・統語論の研究)。言語復興を念頭に置いた理論的な基盤構築も。


大谷直輝研究室(東京外国語大学)
英語の意味論・語用論、構文文法の研究。「ゼミ」ページには、卒論執筆に関する情報が詳しい。

法政大学文学部尾谷研究室
日本語学(特に若者言葉、新規表現)に関心がある場合は必読。卒論の進め方、言語学・日本語教育の参考文献、大学院進学について。新規表現、若者言葉に興味がある名桜大生は、HPで紹介されている以下の文献は必読。
尾谷昌則・二枝美津子. 2011.『構文ネットワークと文法:認知文法論のアプローチ』東京:研究社.


横森大輔 (YOKOMORI, Daisuke) 研究室(京都大学)
会話分析と相互行為言語学。主な分析対象の言語は日本語(2013年以降は英語、英語学習者のデータも)。研究は学際的で共同研究が多く、認知科学における言語(科)学を体現している。研究キャリアを開拓し、ロールモデルとして道筋を所属研究室の後輩に示した人物でもある(実際、何人か影響を受けている)。


小松原哲太 (Tetsuta Komatsubara) 研究室(神戸大学)
レトリックと修辞性。主な分析対象は日本語。直近の大仕事は「日本語レトリックコーパス (The Corpus of Japanese Figurative Language; J-FIG)」の構築。ベストティーチャー。2023年9月現在、名桜大図書館に文献は入っていないので、HPで公開されている論文PDF(充実)を参照。

Yusuke Sugaya研究室(中京大学)
形容詞の主観性、スケール性。最近は専ら心理・実験言語学。論文は、研究ホームページでほぼ全て読むことができる。先行研究レビューの範として参照すべき論文も。


コーパス言語学

各分野でのコーパス使用については、当該分野の欄を参照のこと。ここではコーパス関係について学ぶ上での情報を。

神戸大学石川慎一郎研究室/Dr. Shin Ishikawa, Kobe University
学習者コーパス構築。INCALE等が代表的な仕事。中心的な専門分野としては、英語教育寄り。神戸大「ベストティーチャー」の常連であり(現在は殿堂入り)、「学士課程教育」のページはFD(Faculty Development; ファカルティ・ディベロップメント)の観点からも勉強になる記述が多い。

李在鎬研究室 GSJAL 日研-早稲田大学大学院日本語教育研究科
近年では、日本語教育を中心としているイメージ。研究成果の発信、研究情報。研究業績ページの情報をヒントに、先行研究を図書館等で探しましょう。


記述言語学、方言研究

「方言」の定義については、研究者・論文により異なるため要注意。琉球諸語については「方言」ではなく「言語」と見るようになってきているようです(2023年11月; p.c.)。論文を読むときには、刊行年度にも注意して、術語の定義を確認することを推奨します。


下地理則の研究室:琉球語と日本語方言の研究
日本国内で危機言語の研究をするのであれば、まずは、ここ。方言記述を行う上での資料が膨大であるのに加え、コラムや大学院進学を志す学生へのメッセージも必読。ゼミ、企画の多くは飛び込み参加OK。気軽に聴講しましょう。

いずこに:小西いずみによる日本語方言の情報庫
日本語の方言について。コロナ禍におけるオンライン調査・日琉方言話者紹介など。


・【番外編】麻生ゼミ@名桜大学(アクセスには、名桜大学アドレスへのログインが必要)
ゼミ概要、過去に提出された卒業論文、卒論指導チャート等に加え、プロジェクト学習「北部方言」報告書などを読むことができる(報告書は、サクラウム5階・学生会館運営室に冊子体があります)。実際に方言研究の手順を体験する貴重なチャンスので、関心のある名桜大生は、一読の上、挑戦を検討してみても。



長屋 尚典  東京大学大学院人文社会系研究科 准教授 (言語学研究室)
オーストロネシア諸語(特にフィリピン、インドネシア)のフィールド言語学研究。パラダイム的には機能主義・認知言語学、構文文法とも親和性が高い。ホームページで公開されている研究リソースは、言語研究全般を行う上で有意義であり、ぜひ参照されたい。言語学研究室は、国内における言語研究の一大拠点であり、諸言語を分析する大学院生が集う(博論のテーマも、バラエティ豊かである。英語の語法研究にも強い)。

アルタ語資料(Arta Materials)
木本幸憲研究室(兵庫県立大学)による、アルタ語@フィリピンの意味論的観点を交えた文法スケッチと言語資料。危機言語化した理由についての社会言語学的な考察をはじめ、各種論文も公開されている。ELAN講習会の動画も。


Tamami Shimada's Website
嶋田珠巳研究室(明海大学外国語学部)のページ。アイルランドを舞台とした言語研究。バリエーションやWorld Englishes等のテーマが近い。研究としては英語学と言えそうだが、実際には言語学全般というのが正確か。近年は「時間と言語」プロジェクトもあり、展開は学際的である。学内外の登壇が多いので、「最新情報」のコーナーをチェックして気軽に足を運び、積極的に議論をふっかけるとよい(「ふっかける」は、ここでは的確な表現です。たぶん)。アウトプットは書籍、国際学会がメイン。書店でお求め下さい。


日本語学

「意味論、語用論」「記述言語学、方言研究」のコーナーにも、日本語、方言(と呼ぶのが正確であるか、慎重になる必要はあるけれど)を扱っているHPが載っています。そちらとあわせて。

三鷹日本語研究所
工藤浩東京外国語大学名誉教授によるHP。解説、論文、ノート、講義資料など。学問的背景を知る手がかりとして貴重です。今思うに、大御所の学問史についての議論を理解しやすいのは、工藤先生の講義によるところが大きいのかも。

平子達也研究室(南山大学人文学部日本文化学科)
ゼミ概要、卒論と執筆過程に関する情報は貴重。


音声学

Gakuji Kumagai 熊谷学而研究室(関西大学)
ポケモン名付け研究、「かわいい」音声学など。身近でキャッチーな題材を音声学的に分析(「研究概要」に関連論文へのリンクあり)。


言語習得、心理言語学

Yasuhito KIDO (木戸康人) (Ph.D.)(九州国際大学)
日本語の言語習得。パラダイム的には生成文法だが、共同研究が広く学際的で、英文法系の業績も手広く(このこともあってか、学生の卒論テーマも広範である)CHILDESマニュアルは一大功績であり、各地で講習を担当している。



言語継承

しまむに宝箱
沖永良部島の言葉(しまむに)のサイト。教材、語彙データベース、動画等。言語継承に向けた諸々の取り組みについては、連載記事をぜひ。書籍化もされ、配信動画で学習することができる。

Madoka Hammine Ph.D
語学教育系基礎演習でも紹介されていた、半嶺まどか先生のHP(ゼミ配属にあたり、関心を抱いている名桜大生は、よく読みましょう)。論文、研究概要、言語継承の取り組みと成果について詳しく書かれている。


研究生活について

読みものです。研究ばかりしていて、疲れたときに。大学院進学について」のページもどうぞ(今後、「大学院進学」のページに、こちらのリストを統合するかもしれません)

学生/技術者/研究者向けアドバイス一覧(随時更新)|Dr. Kano@note


(※随時、追加します。)